70歳社長が別室で俺にだけ真顔で話してくれた「ラクしなきゃ稼げない」その方法。
儲けている人はラクをしている。
俺のまわりのお金持ちで、セコセコ忙しそうにしている人なんて一人もいない(そういうフリをしている人はいる)。
ビジネスは部活じゃない。
「頑張ったら頑張った分だけ~」ってのはビジネスには当てはまらない。
もしもカラダを酷使フル稼働して「売上あがりました」なんてやってたらそのうち倒れるよ。
ある意味、「努力」は思考停止の隠れミノ。努力に逃げちゃいけない。頭を使おう。
ラクして儲かっている人は、そのことをあまり話さない。
だって努力至上主義の日本では、そんなの言うだけ損。せっかくの金言も台無しどころか、逆に非難される可能性すらある。ひがまれる。わざわざそんな面倒なことを自分からしない。でもホントは教えたいから、仲良しさんにだけは教えてくれたりする。
俺もこれまで、先輩方にたくさんの金言をいただいてきたのだが、以下は俺が起業前に「ラクして稼ぐ」について聞いた時の話だ。
①偶然の出会い
30歳の時だった。
起業に先駆けて、俺はマネジメントについての独自研究の資料をまとめ、それを元にマネジメントセミナーの講師をやってみようと思った。
ネットで調べて、セミナー講師派遣をしている会社を見つけ、講師希望で応募。その後面接に行った。
面接当日、俺は20分くらい早く着いてしまったのでビルの下で立っていたら、通りかかったその会社の方が中に入れてくれ、面接会場とは別の部屋で待たせてくれた。
暑かったので中に入れてラッキーと思ったのを覚えている。
そして待っているとそこに、お爺さんが入ってきた。そこの社員さんだと思った。
ラフに色んな話をした。内容は覚えてないが、最後に「受かるといいですね」と笑顔で言われたのは覚えている。
②驚きの事実
面接が始まった。
受けるのは俺を入れて5人。集団面接だ。
あとから面接官が3人入ってきた。するとなんとさっきのお爺さんもいた。
そしてなんとその方が社長だった。
ちょっと気まずかったが面接は40分ほどで終わった。
面接が終わって帰ろうとすると、社長に俺だけ呼び止められた。
「書類に不備がある」みたいなことを言われて残された。
で、またさっきの別室に入った。
③稼ぐことの教え
部屋に入って座ると、社長にこう言われた。
「セミナー講師なんてやめなさい。」
ビックリした。講師をしたくて来た会社で、その社長から「やめなさい」なんて。
ただ、そのあとにいただいた言葉が、その後の俺の考えに大きく影響するものとなった。
「あのね、講師は素晴らしい仕事だよ、でも稼げない。厳密に言うと、稼ぐにはかなりの数をこなさなきゃいけない。」
何を当たり前のことを言っているんだ?と思った。
稼ぎたいならセミナー本数を増やせばいいんでしょ?普通じゃんそんなの、と。
頭の上にクエスチョンマークが付いている俺に社長は続けた。
「セミナーで稼ぎたいのなら、講師じゃない。講師を派遣するの。
講師をたくさん派遣して、派遣先から料金を頂戴するよね?講師さんにも講師料をお支払いする。その差額がこちらの利益になる。
1件2件じゃお金にならないよ、でもこれが100件、1000件ならビジネスになる。そうやって上澄みをちょっとずつたくさんもらって稼ぐんだよね。」
確かにその方が稼げるな、とは思った。この会社がやってることだし。でもそれでもピンと来なかった。
だが次だ。
「でね、例えば100件も1000件も、こちらの仕事量はさほど変わらないんだ。つまり僕は、仕事量をほとんど変えずに利益を10倍にできるんだ。」と。
その時の俺にこれは衝撃だった。ヤベェ、、と口から出そうになった。
働いたら働いた分だけ、ではない。仕事量はほとんど変わっていないにもかかわらず、収入は10倍。これはヤバかった。
「そういう仕組みを作るんだよ。それが稼ぐってことだ。いいかい、ラクしなきゃ稼げないんだよ。」
どうやら面接前に話していたら、俺のことを、自分の息子が起業しようとしているように見えたらしい。
帰り際、「もし講師になりたいならそのまま二次面接もおいで。」と。
俺は二次面接には行かなかった。行ったら話を聞いてなかったことになる。
せっかくのご好意を無駄にしてしまうし、俺自身も既に「講師やってる場合じゃねぇ」と火がついていた。
働き方は様々で、何を選択するかは人の自由だ。
その中で、大きく稼ごうと思うならそれなりの仕組みが必要になる。
「ラクして稼ぐ」ではない。「ラクしなきゃ稼げない」んだ。